よりよい人間関係を構築するために必要な人間関係形成力

RELATIONSHIP-POWER

よりよい人間関係を構築するために必要な人間関係形成力

COTECHI
COTECHI

こんにちは、COTECHI です・・・

最近、「仮想的有能感」という言葉を耳にしましたが、どういうことですか?

HARU
HARU

「仮想的有能感」・・「他人を見下す」ようなことかなあ・・私もよくわからないから、教えてください。

現代社会における 「仮想的有能感」

school classroom with close-up of empty teacher’s table and desks in the background. 3d rendering

 子供はよく生きたいと願っている存在です。

しかしながら、子供たちを取り巻く社会は、子供の「よく生きたい」という思いを十分に発揮させることができるようにはなっているとは思えませんねえ。

速水敏彦氏(中部大学心理学科教授『他人を見下す若者たち(講談社)』は、現代社会の若者たちの傾向とそのために大切にすべきことについて次のように言及しています。

  • 現代の日本人は、利己主義を強め、「仮想的有能感」と呼ばれる他者軽視をすることによる自分への肯定感を獲得する感覚を無意識的に身に付けていること。
  • 「仮想的有能感」が生じる背景には、「希薄化する人間関係」が存在すること。
  • 自分は必要とされていることを感じることが尊感情を高め、親密な人間関係が他者軽視を低めることにつながること。

 このような「仮想的有能感」をもつ人が増えることによって、温かな人間関係が崩壊したり、人間の生き生きした意欲の喪失を招いたりすることが懸念されており、この「仮想的有能感」を低めるためには、「自分が必要とされていることを感じる」ことや「親密な人間関係」が重要であることを示唆しています。

「開かれた個」であることが健全な自尊感情につながる

このことと併せて、人には、過度な自尊感情と不十分な自尊感情の二つの「閉じた個」があり、その両方が自分の中に存在することを受け止めた上で、自分も他者も尊重できる「開かれた個」であることが健全自尊感情につながることを述べています。

子供の健全な自尊感情は、子供一人一人の努力で向上させることは困難です。

様々な集団の人間関係の中で意識的に育んでいくことが、いじめを生まない、いじめの傍観者にならない子供を育てる上でも重要です。

「開かれた個」とは何でしょうか

 それは、『自己を確立しつつ、他者を受容し、多様な価値観を持つ人々と共に思考し、協力・協働しながら課題を解決し、新たな価値を生み出しながら社会に貢献することができる個人』でしょうか。

 私なりに考えてみましたが・・

「自分で物事の良し悪しを考え、自分で行動し、他者に流されない。自分を認めるのと同様に他者も認め、一方的な考え、価値観を押し付けあうのでなく、コミュニケーションを取りながら、他者の考え、価値観にぶら下がることなく、自己も参加した上で問題解決に他者と共に取り組む。 そして、このコミュニケーションの中で、型に囚われた回答だけでなく、自由な発想で新しいアイディアであったり、価値観を見出し、その結果を自分だけでなく、周りの人や社会にもフィードバックできるような人間」

 という感じなんでしょうか。大人でもなかなか難しいことです。

これが子供の時分で確立できるのならば、今のような社会情勢にはなっていないのはないでしょうか。考えさせられる内容でした。

現在の子供の悩みは「人間関係」

 現在の子供たちは、自ら仲間やコミュニティを形成する機会が不足しており、等質的なグループや人間関係の中でしか行動できず、異質な人々によるグループ等で解決することが苦手であったり、回避する傾向にあったりするという指摘があります。

 OECDによる「学習到達度調査(PISA)」では、例外なく「学級の雰囲気が良好であるほど成績が高い」という結果が発表されています。

 これは、マズローの発達理論にある集団の中で仲間とうまくやっていきたいという愛情と所属の欲求、承認と尊重の欲求が満たされることで、自分の能力や可能性を十分に発揮し、自ら最善を尽くし、自分をさらに高めたいという自己実現欲求へと高まっていくことを裏付けている結果といえます。

これからの教育は、子供同士の親和動機を高める方が達成動機も高くなる

 現在の子供たちが、今、学校に望んでいることは、よりよい友人関係であり、集団の中で仲間とうまくやっていきたいという欲求を満たしてくれる場所なのではないでしょうか。

 先の速水敏彦教授によると、親和動機も含めた人間関係に関連した社会的動機づけが、達成動機づけに影響するというのです。

つまり、子供と先生との間の人間関係がよい方が学びたいという気持ちが強くなり、子供同士でも仲のよい関係ができていると、互いに『学び合い』学習にも意欲が生まれるという関係が成り立つということです。

 これまでの学校教育では、どちらかといえば自分自身を高め、競争に勝つことを目指す達成動機を強調してきたのではないでしょうか。

しかし、これからの教育は、親和動機を高める方が達成動機も高くなるといった視点に立って新しい教育、学級経営を考えていく必要があると考えます。

既存の「授業観」を変える『学び合い』

これまでも道徳の時間や特別活動を中心に子供の心と人間関係を育てることに取り組んできました。

しかし、社会の変化とともにますます人間関係が希薄になっていく中で、教師が行うべき学級経営や生徒指導の機能はもはや特化された時間だけで行うのではなく、全教育活動において行わなければなりません。

その中核は授業です。

わたしたち教師は既存の「授業観」を変え、学力の向上とともに子供の心と人間関係を育むための時間として授業を行う必要があるのです。それが他者との集団の中で、自分の力を発揮し、集団に貢献することのできる「いじめを生まない子供」の育成につながります。

  教師は、既存の「授業観」を変えるためにも『学び合い』を活用したいものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました