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教員集団の『学び合い』が子供たちの『学び合い』に生きる
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教員集団の『学び合い』が子供たちの『学び合い』 に

COTECHI
COTECHI

こんにちは、COTECHI です。

『学び合い』の授業を進めていくには、学校全体で取り組まなければ大きな力になりませんね。

P-MASTER
P-MASTER

それは、当然なことですね。

学年が上がって、また元の一斉指導的な授業では、積み上げができていきません。それに、発達段階に応じた『学び合い』の授業を学校全体で進めていくことが重要なことです。

COTECHI
COTECHI

だから、『学び合い』は、子供たちだけでなく、いや、まず先生集団が実践していかなければいけないことですよね。

授業と「アクティブ・ラーニング」の関係

 これから先、PISAで求められているような問題解決力や価値創造力、判断力といった能力を身につけるには、子供が自ら身につけた知識を活用したり、物事を多面的に見たりしていくことが求められてきます。

 「この部分は理解できるけれど、ここは納得できない」とか、「他にこういうやり方もあるぞ」といったように、子供が主体的に考え、自分なりの答えを導き出していく学習では、今までより高度に知的な思考が展開されます。

そのため、従来のような知識伝授型の授業では、うまくいかない部分が多くなってきます。

 今、文部科学省が「アクティブ・ラーニング」を提唱しているのは、そのような理由があるからともいえます。

 アクティブ・ラーニングと『学び合い』の授業は、多くの部分がシンクロしています。これから全国でどんな実践が出てくるか注目していますが、 『学び合い』の授業は、 一つのモデルになると思います。

教員集団の『学び合い』が子供たちの『学び合い』そのもの

 話は変わりますが、先生方が授業研究会で課題を検討したり、共通の課題をどう解決するかを考えたりする過程には、『学び合い』の「探究型授業」との共通点が多くあります。

本校の先生方の力量が優れているのは、授業研究の場面で自ら「探究型」を実践しているからともいえるでしょう。

学校内外の『学び合い』ネットワークづくりがこれからのカギになる

先生が自分の学校でいきなり全てを変えようと働きかけても難しい場合があります。

それなら、同じ学校の若い先生同士、同じ学年や学年部の先生、あるいは、別の学校に勤務する大学時代の同窓生などで、小さな『学び合い』をつくることから始めてみてはどうでしょうか。

小規模でも、3人集まれば立派な 『学び合い』 会です。研修や外部の大会で知り合った先生もよいでしょう。とにかく仲間をつくることです。

というのは、いくら志が高くても、一人で授業研究を行うことには限界があるからです。

私の知る限り、授業のうまい先生は、研究仲間の中で若い頃から切磋琢磨して力量を上げてきた方ばかり。私自身も、教員時代は、先生同士の研究会を通して自らのあり方を見直したり技量を深めたりして、必要なことのほとんどを学んできました。

これからは、例えばインターネットを使って、離れた場所の仲間たちとやりとりをするのも一つの方法として考えられます。

また、年齢や校種に関係なく、多様なつながりをつくることでもバックグラウンドが豊かになります。いろんな仲間の作り方を試してみて、ネットワークを拡げていってください。

黙っていても誰かが手を差し伸べてくれる環境ばかりではありません。仲間をつくるために自分から働きかけることが大事だと思います。

PISAで求められている PISA 型学力とは

 OECD(経済協力開発機構)が測る学力のこと。学校で習ったことをどの程度理解しているかではなく、知識や経験を活用して、実生活のさまざまな場面で直面する課題について、自分で積極的に考える能力のことです。

 つまりPISA型学力は、どれだけ知識を覚えたかではなく、覚えた知識を使って実生活の中で活用する能力といえるでしょう。これは、21世紀型能力にも重なるものです。

データを読み取り、筋道立てて説明する力

PISAでは具体的には、図表・グラフ・地図などを含む文章を読んで、そこから課題をみつけて、答えをだすための方法や考え方を論理的に説明することが求められています。また、「自由記述形式」の出題が多いのも特徴です。

また、読解力を測る問題では、携帯電話の安全性についてといったテーマで、相反する意見を述べた問題文を読み、それに対する自分の「意見を表現する」ことが求められました。

さらに、出題形式が、筆記型からコンピュータ使用型調査に変わりました。これは、日常生活の中でICT(情報通信技術)が欠かせない現代社会で、その活用力をみるためです。

日本の子供は自分で考え、表現するのが苦手・・先生も同じかも

今回、読解力の成績が下がったのは、コンピュータ使用型調査に不慣れだったためともいわれていますが、気になるのは、“従来から見られた「自分の考えを説明すること」などに課題がある”という文部科学省の報告です。

子供たちは、文中から正解をさがす癖がついていて、自分で考えない傾向があるようです。

しかし、正解のない時代に必要なのは、予想外の事態にぶつかった時に、自分で判断し、行動し、よりよく問題を解決する力です。

学ぶ意欲を育てるのは楽しさ

The boy painted on white paper with wood color

このような力を身につけるためには、日ごろから自分だったらどう思うかということを考える訓練をしておくことが必要です。

同時に、社会の様々なことに関心を持ち、学び続ける意欲を育てる必要があります。

このことは、まさに「教員の働き方」そのものの鏡、写し絵になっているのではないかなあと感じています。

参照:
OECD生徒の学習到達度調査(PISA2015)のポイント
国立教育政策研究所OECD生徒の学習到達度調査(PISA)

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