裏切られても裏切り返さない。誠実さこそが、人々の心に触れる
「100の診療所より用水路」故中村医哲師が変えた暮らし
こんにちは、COTECHIです。
もう1年以上もたったんですね。 中村哲さんがお亡くなりになられて・・・。
「NGO「ペシャワール会」の現地代表を務めた故・中村哲医師の肖像をあしらった壁画が、白く塗りつぶされた。同国で権力を握ったイスラム主義勢力タリバンが、自身をたたえる標語を増やすため、街中の絵を消している。」という報道を見て、悲しくなります・・・。
現在のアフガンの報道を見ていると、ほんとにこわいなー。
アフガニスタンで銃撃されて亡くなったペシャワール会の現地代表、中村哲さん(当時73)が医療から灌漑・農業支援へと活動を広げたのは、アフガンを大干ばつが襲い、農地が砂漠化するのを目の当たりにしたからだそうですね。
周知のとおり、中村先生は1984年に医師としてパキスタンとアフガニスタンに赴任したあと、病気の背景には食料不足と栄養失調があると考えて「100の診療所より、1本の用水路を」と、治療では多くの人の命を救えないことを痛感し、1600本の井戸を掘って25.5キロに及ぶ用水路を拓き、亡くなられるその時までアフガニスタンで支援活動を続けていました。
医師でありながら率先して重機を操り、現地の人と共に汗を流した中村哲医師についての偉業は、以下のサイトが大変勉強になるよ。
「裏切られても裏切り返さない」故中村哲さんが遺した言葉
『天、共に在り』は、NHK出版より2013年10月に初版が出版された中村哲さんの本です。
約250ページに及ぶアフガンの生きた現地報告書とも言えます。
・・・・1600本もの井戸を掘り、25.5キロにもおよぶ用水路を拓くに至った・・・と紹介されています。
アフガンのイスラム主義組織タリバンが政権を掌握した。
報復はしないと融和を訴え、女性の権利も尊重するとしている。
とはいえ、二十年前に崩壊した旧タリバン政権が女性の教育や就労を厳しく制限した過去を思えば、信じ難いことだと思えます。
先の本『天、共に在り』には、こう記されている。
「利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる」・・・それは、武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことができる・・・と。
中村さんが存命なら、この混乱をどう見ただろうか、どうお思いになられたのだろうか。
「共に生きる」ことを通して人間と自らを問うもの
「共に生きる」とは、互いの違いを認め合い、すべての命とともに生きる道を探求し続けることだという。
この理念には、「人が互いに、異なる価値観を交換し合うことによって、新しい価値観を生み出す」として、学校の場とその教室で、子供も教師もとが、相互に共存し啓発・理解し合いつつ、『学び合う』ことへの期待が込められているのだと思います。
『共に生きる』ことと『学び合い』
教育とは、決して、先生が子供たちに、一方的に何かを教えてあげることではなく、子供たちと「共に生きる」ことであり、それを通して、人間と自らをも問うものだと思います。
子供たちは、教師などの相手から、自分を信じてもらっていると感じたり、一人の人間として接してもらっていると感じた時に、こちらの期待以上の力を発揮してくれます。
何より子供たちには、仲間を信じること、自分自身を信じることを大切にしてほしいと願っています。
子供たちから教えられ、学ぶことも多い学校現場の大人たちです。
また、苦労すればするほど、それが応え(喜び)となって返ってきます。
それは、まさに子供たちだけではなく、先生たちも、共に学び育つているまさに互恵的な『学び合い』の実現につながるのだと思います。
学校、子供たちと共に、周りの大人自信も「信じ合い、ともに学び合う場」として、これからも成長を続けたいと思いますし、そうでなければならないと思います。
「裏切られても裏切り返さない」・・・故中村哲さんが遺した言葉から、『共に生きる』ことと『学び合い』の教育に思いをはせることになりました。