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コロナ禍でのニューノーマルな『学び合い』
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COTECHI
COTECHI

みなさん、こんにちは。

長引く新型コロナウィルス感染症の影響で、子供たちの学び方も多くの制限を受けていますね。

こうしたコロナ禍の中で、どのように学習を進めていけばいいか、大変悩ましい問題に直面していますね。

HARO
HARO

『学び合い』を始めて、「教師主導」から「子供を主語にした学習」「子供を主語にした学校生活」を進めて、今までの授業ではペアやグループ学習をするのが当たり前になっていたのだが、このような状況の中でどのように授業を進めていけばいいのか・・・

ニューノーマルな『学び合い』

子供たちもコロナ禍におけるニューノーマルNew Normal「新しい常態」)な学校生活に慣れてきました。

そのため、子供たちが学び会う授業も少しずつ出来るようになっています。

P-MASTER
P-MASTER

学び合いの形態で授業を進め、お互い関わり合いながら、「誰一人取り残さない授業」を大切にしていくことができるようにしたいものです。そこで、これからの ニューノーマル な『学び合い』 について考えてみます。

動的な『学び合い』から、静的な『学び合い』への挑戦

『学び合い』は、隣の席の児童や4人グループの仲間だけでなく、教室中で、児童相互が積極的に関わり、交流し合って、「誰一人取り残さない」を目標に、「分かり合う」「聴き合う」「教え合う」という「アウトプット」と「フィードバック」、さらに、友だちからの反応と自分の考えを再度組み直して、自分の考えを再編集する 「アンラーニング」を大切にしています。

このため、どうしても活動的(動的)に、友だちと関わり合うことが多いため、コロナ禍での活動として、少し自粛しなければ・・という考え方に陥ってしまいます。

はたして・・本当にそうでしょうか?

むしろ、こうした中での『学び合い』こそ、今まで行ってきた『学び合い』をグレードアップ、バージョンアップしていく、良いチャンスととらえるべきではないかと思います。

コロナピンチを『学び合い』の質の向上のチャンスに

今まで、平常時の『学び合い』学習では、全ての子供たちの意欲的、積極的な活動を促し、子供たちが「主体的に学習を楽しむ」ことを最優先にしてきました。これは、これで、とても大切なことです。

子供たちが、まずは「友だちと関わる」動きを、私たちは、嬉しく、頼もしく見てきました。

ここからは、次のステージです。

そこに、この「コロナピンチ」は、ある意味、「学び合い』に有効的な働きをするとも思えます。

次のステージとは、コミュニケーションの質の向上・・・つまりは、「コミュニケーションの質の改善」です。

コミュニケーションの「質」の改善

ニューノーマルな『学び合い』では、人との対面接触をできる限り減らすことが基本となるため、プレコロナ時代とはコミュニケーションの取り方が大きく変わってきます。この変化を利用しようというわけです。

互いに学び合う望ましい集団とは、「言いたいことが言える」「わからないと言える」「教えてと聞ける」、そして、「互恵的な関係である」など、すべての子供が主体的に、礼儀をもって学びに参加できる集団を意味します。

しかし、子供が活発に活動しているときは、どうしても表層的な型通りの指導になりやすく、なかなか落ち着いて、『よりよい学び合い方』『相手の気持ちを考えた聴き方・話し方』ができなかったりはしませんか?

そこで、この時期の『静的な学び合い』をいかして、じっくり子供たちの友だちと関わり合う時の話し方、伝え方、質問の仕方、教え方(ヒントの出し方)、さらには、聴き方についての視点を明確にした、よりよい『学び合い』の仕方を重点的において進めてはいかがでしょうか。

なぜなら、このコロナのこの時期については、活動的に積極的に「話し合って関わる」ことより、「じっくり静かに関わる」ことが望ましいからです。

すでに子供たちの学習には、こうした静的な「ニューノーマルな授業・生活」が浸透していますので、案外やりやすいと思います。

じっくり静かに関わる『学び合い』の肝は、「自分の考えをつくる時間」の指導

じっくり静かに関わる『学び合い』の肝は、課題提示後の自分の考えや思いをつくる場面、つまりは、「ひとり学び」の学習時間です。

自分の考えをつくる場面では、子供たちには、自分の考えをつくり、思いを確かめると同時に、その考えや思いを「どうやって相手に伝えるか」の視点を持たせる必要があります。

まさに、プレゼンの視点です。

わかってもらう視点には、次のような「説明上手な人が守っている5つのポイント」を意識させます。

  1. 相手はどういうタイプ友だちの人か?(誰に)・・相手意識:しっかり聞いてくれるか否かどんな学び方をするタイプの友だちかという相手意識を持っていること。
  2. どんなことを説明するのか?(何を)・・・内容意識:課題解決のための「何を」伝えたらよいのかという、これから話す内容がしっかりつかめていること。
  3. どこまで伝えるべきか?(範囲)・・・簡潔性:相手の理解度を考えて、または、相手の友だちの性格や特長を考えて、簡潔に、どこまで話すべきか判断して実行できること。
  4. 説明の目的は何か?(何のために)・・・ 目的意識:相談なのか、質問なのか、教えるのか。
  5. どのように説明するか?(手順)・・・合理性:どのような手順で話したり、説明したりしたらよいか。または絵や図を使って、相手にわかりやすく、伝わりやすいように話せるかということ。

学年の発達段階に応じて、わかりやすい表現にすることが大切です。

そして、自分の思いとしての考えや結論を出し、相手に伝わるように、自分が話す表現の仕方を工夫しながら、話し合いや集団思考(言語活動)を通してより高次な結論となることを目指していくことが大切です。

コミュニケーションに関わる技能の指導で特に指導上留意したいポイント

1.「聞くこと」がコミュニケーションの基本であること

「話し合い」は、「聴き合い」とでも言われるように、コミュニケーションの基本は、「話す」ということよりも、まず「聞く」ことではないかと考えています。

『学び合い』でも、「聞くスキル」を身に付けることで話し合いが、温かい人間関係の下円満にいくとともに、何よりも、話し合いの仲間内の親和性が高まり、お互いの心が安定します。

2.「ひとり学び」もグループの机配置のかたちで!

作業学習や製作活動等では、作業や活動は個人ごとに進めているが、机はグループになっていることがあります。

これは、友だちの作業などを見ながら、自分のやり方で大丈夫だなと確信したり、ヒントを得ながら学習してもらいたいからです。

友だちとの会話等、直接的なやりとりや交流がなくても、グループの構成メンバーが互いの役に立っている。

また、自分の意見をグループ内の友だちと確認をし、その結果、自信を得ることがあります。

「友だちの動きやノートを見てもいいよ、見せてあげようね。」という指導は、『学び合い』では、大切な取り組みであり、人間関係づくりにおいても大きな意味を持ちます。

3.自分なりの「表現をゴール」にする

学力の定着には、提示された課題に対して、自分なりの考えや思いをもつことからスタートします。

そして、 『学び合い』の中で、それを友だち同士で出し合い、練り合い、高め合い、そして授業の最終段階では、「誰ひとり見捨てない」「みんなでわかる」という理念に基づいての「振り返り」を、丁寧に行うことが基本になります。

学んだこと、わかったことを論理的(筋が通るよう)に書いたり、誰かに分かり易く説明することで、より学力の定着が図られます。

最後に・・・

やらなければ『学び合い』のよさはわかりません。

はじめのうちは、気軽な気持ち、難しく考えないでペアなどでの「教え合い」や問題の出し合いなどをしながら、知識の獲得を図るなど、活動に慣れさせ、その利点を生かしていきたいですね。

何かを覚え、記憶する学習においても、一人で覚えるより、友だちと一緒になって、工夫しながら覚えた方が能率が上がることはよくあります。

また、例えば、小集団学習を実践してみればすぐにわかることですが、誰もが理想としている「ひとりひとりの考えを練り上げ、高度な結論に到達させる」ことは、なかなか難しいです。

しかし、小集団で互いに相手の意見に触発を受けながら、多様な意見をたくさん集めること(ブレーンストーミング )はすぐにできるし、成果もあがりやすいでしょう。

「集団で、みんなで力を出し合い、合わせ合って学習すること」こそが『学び合い』のよさと言ってよく、授業では協働して学ぶことのよさ・メリットが発揮される学習は、全てを『学び合い』と考えたいと思っています。

『学び合い』のよさとは、「力を合わせて学んだことで課題が解決できた」「一人ではできないことができた 「みんなと一緒にやったから、飽きることなく、やる気が出て能率が上がった」、「友だちと一緒に勉強したらよく覚えられた」等の実感を子どもが味わうことであると思います。

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