『反転学習(フリップド・ラーニング)とは

反転学習
(出典 www.schoolnetwork.jp)
COTECHI
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「反転授業」という言葉を耳にしたことはありますか? 近年、従来の授業とはまさしく180度異なる授業形態が注目を集めています。

反転授業とは、授業前に自宅学習し、授業では演習や議論を行う授業形態です。

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従来の授業における授業と宿題(授業外学習)の役割を入れ替えた授業形態のことを「反転授業(フリップド・クラスルーム)」と呼びます。

授業外学習への発展も視野に入れて「反転学習(フリップド・ラーニング)」と呼ばれることもあります。

従来の学び方では、授業で知識の習得を行い、宿題等でその定着を目指していました。反転授業ではまず宿題等で児童が自ら知識の定着(インプット)を行い、その後の授業では学んだ知識の確認や、ディスカッション等の協働学習(『学び合い』・アウトプット)、あるいは個別指導等による知識の活用を通して発展的な学びを実践することですね。

反転学習(授業)とは、学びの「インプット」と「アウトプット」の場を全く逆にする学び方のこと!・・Flipped learning

通常思い浮かべる授業といえば、先生が教壇に立って講義を行うものですよね。

そして、復習として宿題を出されるのが一般的だと思います。

「反転学習(授業)」は、その従来の授業形態をまさに「反転」させたもので、家庭でいわゆる「授業」を映像教材・動画・教科書・プリント等を用いて予習の形で受講し、学校の教室で行う授業の時間では通常「宿題」として扱われる演習や、学習内容に関わる意見交換などを行うものです。

つまり、学びの「インプット」と「アウトプット」の場を全く逆にするのです。

2000年代にアメリカで始まった試みで、国内でも東京大学を始めとするいくつかの大学が試行を始め、現在注目を集めています。

反転学習(授業)のメリット

教員にとって、反転授業には授業時間を有効活用できるというメリットがあります。

社会の発展や技術の進歩により、小学校で扱うべき学習内容は増加しておりますし、さらに単なる講義形式の一斉授業ではない「主体的・対話的で深い学び」のさらなる実践も求められています。

授業時間数の不足に悩む教員や学校も少なくありません。

反転授業は宿題等で知識を習得した状態で授業を開始できるため、限られた授業時間の多くを「主体的・対話的で深い学び」や児童生徒に合わせた発展的な学びに充てることができます。

さらに、ここに『学び合い』のようなアクティブ・ラーニングを組み合わせると、より「主体的・対話的な協働学習」を授業時間に仕組みやすくなるのです。

児童生徒にとっては、これまで以上に「個に応じた学び」が実現できることが期待されます。

宿題で使う教材は、自分の好きなときに好きな場所で繰り返し学習したり、一部分だけ取り出して学習したりすることもできるでしょう。

つまり、自分の学習スタイルに合わせて学習することができます。また、たとえば入院するなどの何らかの理由で教室を離れていても、自宅や病室で動画を視聴し自習することで、学習の遅れを最小限にとどめる効果が期待できます。

反転学習(授業)のデメリット

一方で、反転授業は子どもが宿題をどれぐらい主体的に実施するかに依存する部分があります。

予習や自宅学習が習慣化している子どもにとって、動画教材の視聴に対する負担感はさほど大きくないかもしれません。

保護者のサポートが必要

しかし、それらが習慣化できていない子どもにとっては、予習の強制はむしろ学習意欲の低下を招きかねません。

このような子どもに対してどのような働きかけをすればよいか、教員の力量が問われるところでもあります。

また、自宅学習を必要としている点を考慮すると、保護者の理解や協力も不可欠といえるでしょう。

宿題で用いる教材を準備することの大変さも、反転授業の普及を妨げている原因のひとつです。

教員は自分自身の指導に合わせた教材を作成または選定、作成する必要がありますが、現在は教材研究の負担が大きく、すべての教員が気軽に導入できる段階には至っていません。

教材開発に関するノウハウを蓄積・共有したり、開発した教材を全国の教員が共同利用できる環境を整備したりする等の工夫が必要です。

スタディー・アプリのような端末機器を利用した家庭学習教材コンテンツを自治体単位で導入で着ている学校では、進んで実践できる環境が整っていると言えます。

反転学習(授業)はどのように実践していくのがよいか

佐賀県武雄市の例

すでに反転授業を導入している自治体があります。

佐賀県武雄市の全11校の公立小学校では、2014(平成26)年より児童一人ひとりにタブレットを支給し、「スマイル学習」という名で反転授業を行っています。

全教科の全ての時間に反転授業を導入しているわけではなく、対象は3~6年生の算数と4~6年生の理科に限定し、まだまだ実績は少ないものの、2015年11月に行われた調査では、「明日の授業が楽しみ」「少し楽しみ」と答えた児童が8割を超えるなど、学習意欲へ好影響が見られているといいます。

児童生徒の学習意欲や理解度等の能力向上が見られるという報告がある一方で、教員の入れ替わりや、組織的な実践の継続ができず、年度が進むにつれて実施学校数が減少する等の課題も抱えており、完璧な実践というまでにはいたっていないようです。

しかし、自治体レベルで大規模に反転授業を取り入れたことは大きな挑戦であり、今後の武雄市の状況や、他の自治体への影響については継続的に検討していく必要があります。

反転学習とつながる学校での『学び合い』の連続の中で生かす

反転授業は教育効果を高める実践ですが、反転授業を行うことは、目的ではなくあくまでも手段・方法です。

従来型を含めた一斉授業がよい学年や学習内容など様々な学びの場面も多くあり、すべての授業を反転させればよいというわけでもありません。

『学び合い』の授業との連続を生かす反転授業のメリットの双方を正しく理解し、児童の学習を第一に考えた上で、反転授業を効果的に活用することが求められます。

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